Monster

VIFF Movie Review

VIFF 2023 観客賞受賞作品!

Monster ©2023 Toho Co. Ltd. / Photon Films

是枝裕和監督の映画は映画館で2度観ないと書けないぐらい奥が深い。この映画構成も最初は2部に見えたが、2回見ると3部構成だったと気がついた。さらに気になったのは、この映画がなぜカンヌ国際映画祭で狙ってもいないクィア・パルム賞を、審査員全員一致で決まったのかという事だ。

今も昔も女の子っぽい男の子に対するいじめはあった。学校の先生は常に「男らしく」「それでも男か?」と励ます。母親は「お父さんみたいになって」「普通の家族を作って」と願う。父親は「治さなければ」「矯正する」と体罰する。大人たちの何気ない言葉や過剰な行動に傷ついた少年たちは、自傷行為に走り、自分たちを「豚の脳」「怪物」と思い込んでしまう。

是枝裕和映画はこの主人公の少年たちを「ゲイ」と名づけていない。むしろこれは成長期の一端で、男の子が男の子を好きになる(または女の子同士でも)ことは決して不自然や間違ったことではない。さらに映画は男、女、ゲイなど人をラベル化する必要はあるのかと示しているようで、成長期が示すように人間はもともと中性なのではないかと感じた。

映画の放った問題はこれからディベートする価値が充分にある。やはり奥が深い。

10月1日 (日) 9:00 pm Vancouver Playhouse

10月4日 (水) 6:00 pm Vancouver Playhouse

10月7日 (土) 3:00 pm Vancouver Playhouse

2023 Toho Co. Ltd. 126 min.

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